お客様ご愛用「鏡台」の引手金物交換依頼がありました。
当社社員がお伺いしたところ、吊り下げ式引手で「ブラリ」と呼ばれる「家具金物」です。
お客様はゼムクリップを加工、つなげ使っておられました。この「ブラリ」という「家具金物」は新規に製造するメーカーはほぼなく、今は少量生産で販売数も年々少なくなっています。
メーカー・カタログでは「在庫限りで廃番」、いうならば絶滅危惧種「金物」です。
今回は下記の点を考慮し「家具金物」問屋カタログから類似品を取り寄せ交換修理させていただきました。
・家具全体のイメージを損なわないサイズの金物であること
・「座金」付き金物は座金裏の木部塗装が昔のままである。昔のままの木部を隠す「座金」付きを探す
・金物色も光沢が少なくて近似色の品
家具金物・ブラリ(旧)
家具金物・ブラリ(新)
今から20年以上前の19xx年代ですと全国の街に「金物店」がありました。
「金物店」はいわゆる「金物」だけでなく「塗料」や「電池」「ステンドランプ電球」なども販売していて便利なお店でした。
当時、家具部品が壊れた場合、家具店で「買い替え」を勧められてもこまるのでその部品を持って「金物店」に相談に行く方が多かったです。
相談すれば、店頭にはなくて「倉庫」から「あったよ~」と店の大将が出してくれたものです。
近年は全国的に「衣料」「靴」「書店」など多くの小売業種のお店数が減少しています、その「金物店」も少なくなりました(婚礼家具が売れなくなったこともあり、家具店数も減少しています)。
さて「金物」という言葉がカバーする範囲は広く、
1)「鍋・釜」類、2)「利器・工具」、
3)「建築金物」、
4)「家具金物」
などがあるのをご存じでしたか。
かつて全国の街には「木工所」も数多くあったので「金物店」は「家具金物」も扱っていることが多かったのです。
現在、「家具金物」を自分で探す場合は「ホームセンター」か「ネットショップ」と思われる方が多数だと思います。
■「建築金物」と「家具金物」■
あれだけの「品ぞろえ」があるのだから「ホームセンター」に行けば「家具金物」も絶対見つかるはずと思われるでしょう。
でも意外と「家具金物」は売り場にはないです。建設業や大工さんはまだ全国の街に多数おられるので「ホームセンター」に行けば「建築金物」は充実しており探すことができます。
「家具金物」は売り場に展示しても「建築金物」と違い、家具工場や木工所のように箱単位の「まとめ買い」はない上、月に何個売れるのかという現実。
当然のことですが売り場効率優先で「家具金物」はホームセンター店頭から撤去されてしまいました。
■「建築金物」と「家具金物」■
今回のような「家具金物」交換修理はお近くで地元の家具専門店なら今でも取り寄せ対応できることが多いです、ぜひご相談下さい。
きっと丁寧に探して下さると思います。